2020.5.23 05:02

東芝・大野が引退会見 桜戦士に3つの提言/TL

東芝・大野が引退会見 桜戦士に3つの提言/TL

引退記者会見で心境を語った大野。「やり残したことはない」と言い切った(東芝提供)

引退記者会見で心境を語った大野。「やり残したことはない」と言い切った(東芝提供)【拡大】

 ラグビーの元日本代表で現役引退を表明していたLO大野均(42)=東芝=が22日、オンラインで引退記者会見に臨んだ。W杯に3度出場し、日本代表歴代最多98キャップを誇る“鉄人”は「選手としてやり残したことはない」と、すがすがしく言い切った。今後は東芝に残るが、コーチ就任などの具体的な活動内容は未定。ラグビー界を長く支えた仕事人は日本代表にエールを送り、スパイクを脱いだ。

 グラウンドで愚直に激しく体を張り続けた大野が、静かに別れの言葉を紡いだ。1時間にわたったオンラインでの会見。黒のスーツ姿で登場すると、冒頭で思わず言葉を詰まらせた。

 「昨年のW杯での日本代表の躍進、東芝の若い選手の台頭を頼もしく感じ、これ以上選手としてやり残したことはないと思い、引退を決意した」

 1年ほど前から、両膝の故障に苦しんでいた。走ることもままならなかった。トップリーグが中止となり、グラウンドが使えなくなった自主トレーニング期間。走るとやはり膝が痛んだ。「回復が見られなかった。ここが潮時かな」。引退を決意した。

 トップ選手としては珍しく、大学からラグビーを始めた。「パスもキックも下手。どうチームに貢献するか、僕の中ではシンプルだった」。誰よりも激しく体を張って、走り続ける。最後まで変わらぬプレースタイルだった。2004年に初キャップを獲得。W杯には3大会に出場し、日本代表最多の98キャップを積み上げた。

 長く支え続けた日本代表は、昨年のW杯で史上初の8強入り。今後の躍進に向け大野は「ハードワーク(高い運動量)」「自主性」という言葉に加えて、「自信」という言葉を強調。「日本は強いんだという自信を積み重ねることができれば、ベスト8以上の成績残せる」とエールを送った。

 プロ契約ではなく社員選手の大野は、今後も会社に残る。チームと話し合いを進めているが、コーチ就任など具体的な予定はまだない。それでも「まずは東芝が王座奪還するためのサポート」と恩返しを誓った。

 座右の銘は「灰になってもまだ燃える」。“均(きん)ちゃん”の愛称で親しまれた42歳は第2の人生でも、激しく愚直にラグビー界に貢献する。(阿部慎)