2019.9.11 12:52

【ラグビーコラム】“空中戦”で弱点見せた日本、相手キックの精度をいかに落とせるか

【ラグビーコラム】

“空中戦”で弱点見せた日本、相手キックの精度をいかに落とせるか

南アフリカ戦の前半、ラインアウトで競り合う日本のトンプソン・ルーク

南アフリカ戦の前半、ラインアウトで競り合う日本のトンプソン・ルーク【拡大】

 【ノーサイドの精神】日本代表のW杯壮行試合だった南アフリカ代表戦は、7-41の完敗だった。ミスをすればトライまで持っていかれることを、改めて思い知らされた。そんな負け方はともかく、気になったのはオープンサイドのWTBの上に上げられたコンテストキック(敵味方で競り合えるようなキック)を、ほとんど取られていたことだ。身長180センチを超えるWTBがいないのは日本の弱点といえ、W杯で対戦するロシア、アイルランド、サモア、スコットランドはこれを見逃さないだろう。

 南アフリカのSOハンドレ・ポラードのキックも精度が高かった。やはりティア1(世界10位以内の強豪チーム)のSOは違う。競り合った南アフリカのWTBマカゾレ・マピンピは184センチ。さほど大きくはないが、日本のWTBよりは長身だ。

 アイルランドにはジョナサン・セクストン、スコットランドにはフィン・ラッセルという名SOがいる。サモアのSOはサントリーでも活躍した37歳の大ベテラン、トゥシ・ピシだ。そしてアイルランドには191センチのジェイコブ・ストックデール、スコットランドには188センチのショーン・メイトランドと、大型WTBも抱える。サモアのWTBもみな185センチを超えていて、高さではかなわない。

 SHからのボックスキックも厄介だ。アイルランドのコナー・マレーは欧州6カ国対抗グランドスラムも知る百戦錬磨の名手だし、スコットランドにはおなじみ“日本キラー”のクレイグ・レイドローがいる。日本はBKラインが素早く前に出て相手のスペースと時間を潰すディフェンスをするが、対戦相手はその裏側にできるスペースをキックで突くことを考えるだろう。HB団にプレッシャーをかけ、どれだけキックの精度を落とすことができるかが、大きな鍵を握る。

 日本は背は低くとも、とにかく競り合うしかない。そのこぼれ球に神経をとがらし、いかに自分たちのものにするか。この局地的な“空中戦”が勝敗の帰趨(きすう)にかかわってくるだろう。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像  1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の58歳。