2018.1.10 12:00

【ラグビーコラム】大学選手権V9の帝京大は“グラウンド外の勝者”もしっかり育成

【ラグビーコラム】

大学選手権V9の帝京大は“グラウンド外の勝者”もしっかり育成

特集:
ノーサイドの精神
7日に明大との激闘を制し、9連覇達成に喜びを爆発させる帝京大フィフティーン

7日に明大との激闘を制し、9連覇達成に喜びを爆発させる帝京大フィフティーン【拡大】

 【ノーサイドの精神】明大との歴史的な決勝戦を制して、帝京大が大学選手権9連覇を果たした。毎年入れ替わる学生チームを9年間、日本一に居座らせる岩出雅之監督(59)だが“グラウンド外の勝者”も毎年しっかり育成している。

 連覇が始まった頃だった。帝京大の練習取材後、岩出監督の話を聞いて感心したことがあった。

 「大学でも、卒業後でも、ラグビーだけで生きていける子は、ほんの一握り。ウチの選手だって、ほとんどはラグビー以外の仕事に就く。そこで、どう生きてゆくかが、彼らにとっての本当の勝負なんだ」

 通常の大学チームなら下級生が担当する掃除などの雑用を、帝京大では上級生が担当する。HO堀越康介主将でも、練習後にグラウンド横のトイレ掃除を当然のこととして、やっている。グラウンドへ向かう坂道のゴミや落ち葉も、時には気付いた部員が自主的に掃除している。

 この学生たちの姿には、おごることのない人間を育てたいという、リーダーの強い思いがにじんでいる。

 ほとんどの選手は社会に出れば大学王者も、帝京大の深紅のジャージーも関係ない世界で生きてゆく。だからこそ、どんな仕事に就き、職場に置かれても、周囲から信頼され、困ったときには手を差し伸ばされる人間であるべきという、もう一つの帝京大ラグビー部の目指すものがある。

 多摩丘陵を切り崩すようにつくられた東京・日野市の帝京大グラウンドには冬は寒風が吹きつける。厳しい環境で、厳しい練習が毎日積み上げられ、今年も大学最強を守った。毎年最強軍団が作り上げられるこのグラウンドには、誇りはあるがおごりはない。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後からサッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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