賞金女王を決めた鈴木。渋野の追い上げもかわし、ホッとした表情でガッツポーズ【拡大】
LPGAツアー選手権リコー杯最終日(1日、宮崎CC=6535ヤード、パー72)通算5アンダーで5位に入った鈴木愛(25)=セールスフォース=が2年ぶり2度目の賞金女王に輝いた。
女王の座を渡すわけにはいかなかった。誰よりも勝った2019年。鈴木が2年ぶりの戴冠に、安堵の笑みを浮かべた。
「7勝もして賞金女王になれなかった人なんていないよな、と思っていた。なれなかったらカッコ悪い。意地でも、と思っていた」
調子がなかなか上がらなかった最終戦。悔しい思いを12位から出た最終日に爆発させた。1番(パー4)で4メートルを沈めてバーディー発進。前半で1つ伸ばして5位に浮上し、後半も4バーディー(1ボギー)の33とさらに伸ばして一時は3位に順位を上げた。17位と低迷した第2ラウンド終了後に「誰かほかの人に勝ってもらいたい」と白旗を掲げるような発言をしたが、本心は違った。
「最終日は絶対にうまくいくと思っていた。最後まで優勝は諦めない。そう思って昨日も遅くまで練習していました」
2003、04年の不動裕理、15年のイ・ボミに並ぶツアー史上3人目の7勝で女王の座を奪回した。1988年のツアー制度施行後の日本選手では00年から6年連続女王の不動以来、5人目の複数戴冠。一時は申ジエに3800万以上離された大差を、1カ月余りでひっくり返した。
「今まで練習してきたのが最後に出たのかな。運も必要だけど、頑張った分、神様が助けてくれたと思う」
来年の東京五輪の代表争いは畑岡奈紗、渋野に次ぐ3番手だが、世界ランキング15位以内に入れば3枠目を自力でつかめる。3強形成へ-。日本のエースがさらにアクセルを踏み込む。 (臼杵孝志)