2018.10.10 12:00

“樹木希林先生”が人生について考えさせてくれる映画「日日是好日」/週末エンタメ

“樹木希林先生”が人生について考えさせてくれる映画「日日是好日」/週末エンタメ

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週末エンタメ芸能記者コラム
「日日是好日」場面写真・メイキング写真

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 先月15日に死去した女優、樹木希林さん(享年75)が出演する映画「日日是好日(にちにちこれこうじつ)」(大森立嗣監督)が13日に公開される。

 原作は人気エッセイスト、森下典子さん(62)が茶道教室に通う20年の日々をつづったロングセラーのエッセー「日日是好日『お茶』が教えてくれた15のしあわせ」。みずみずしく描かれる心象風景や青春像、お茶がもたらす人生訓のような“気づき”の数々が、読者にとっての心のよりどころになると話題を呼んだ。

 映画の物語は二十歳の大学生、典子(黒木華、28)が母の勧めと同い年のいとこ、美智子(多部未華子、29)からの誘いで武田先生(樹木さん)に茶道を習うことに。青春の機微、就職の挫折、大切な人との別れ…。人生に迷い、居場所を探し続ける典子は毎週、茶道教室に通うことで何かが変わっていく。

 主演女優、黒木と共演女優の多部は樹木さんと初共演。劇中で所作に戸惑う2人に武田先生が「お茶はまず『形』から。先に『形』を作っておいて、後から『心』が入るものなの」と優しく教える姿は、役を超えて本当の祖母のよう。茶道だけでなく、人生のあらゆることに共通する教訓のように聞こえる。

 また、武田先生が「私、最近思うんですよ。こうして毎年、同じことができることが幸せなんだって」としみじみ語る場面。茶道を愛するがゆえの言葉だが、樹木さんが女優業に対して抱いていた気持ちそのものではないだろうか。

 茶道教室に通い続ける典子は「世の中には『すぐわかるもの』と『すぐわからないもの』の2種類がある。『すぐわからないもの』は、長い時間をかけて少しずつ気づいて、分かってくる」と思う。「すぐわからないもの」は人によって違うだろう。それが何なのか。映画の時はゆっくり流れ、観る人が考える時間は十分にある。

 茶道のように、静かな100分の上映時間。なんだか映画っていいな。そう思わせてくれる作品だ。(渡邉尚伸)

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