南海などで活躍し、昨年2月に84歳で亡くなった野村克也さんの遺品などを大阪市浪速区の複合商業施設「なんばパークス」9階の「南海ホークスメモリアルギャラリー」に展示するプロジェクト「おかえり!ノムさん 大阪球場に。」の式典が14日、行われた。野村さんの孫・忠克さんが、父親で楽天の春季キャンプに同行する野村克則育成捕手コーチの挨拶文を代読した。
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昨夜、宮城県、福島県を中心に大きな地震がありました。宮城県、東北地方は、祖父と私たち家族が過ごした大切な場所です。被害を受けられた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
では、父・野村克則のご挨拶を代読させていただきます。
「南海ホークス・メモリアルギャラリー」のリニューアル式典の開催、おめでとうございます。
あいにく、楽天イーグルスのキャンプのため出席することができず、心から残念に思っております。
父、野村克也がこの世を去ってから、早いもので1年が過ぎました。父がいないことが、まだなかなか実感できません。父の自宅はそのままで、今でもリビングでくつろいでいるのではないか、と思ってしまいます。
私にとって、父の記憶は「監督・野村克也」のものばかりです。特に「南海ホークス・野村克也」の記憶はほとんどありません。
阪神タイガースでプレーしていたころ、私はこの「メモリアルギャラリー」を訪れたことがあります。父から昔の話を聞かされていましたが、本当に写真も記録もないのだなあ、と残念に思いました。
昨年、江本様からこのギャラリーに、南海時代の父のユニホームや写真を展示したい、とご提案をいただきました。「ぜひお願いします」とお返事しました。
クラウドファンディングで、これほどのご支援をいただけるとは、想像していませんでした。南海ホークスと、父を愛してくださった皆さまの、たくさんの思いが集まったからだと思います。本当にありがとうございます。
「野球人・野村克也」が、この大阪でプレーをして、日本一や三冠王に輝いた足跡を残すことができました。皆さまがこの場所で、父の姿を思い出してくださるなら、私たち家族も幸せです。
最後になりましたが、今回ご尽力いただいた江本孟紀さま、南海電鉄さま、なんばパークスさまをはじめ、ご臨席の皆さま、ファンの皆さまに心から感謝を申し上げます。
本日は、本当にありがとうございました。
令和3年2月14日
野村克則