2017.11.28 13:00

【球界ここだけの話(1103)】西武から戦力外でヤクルト入りが決まった田代の運命を変えた一本の電話 

【球界ここだけの話(1103)】

西武から戦力外でヤクルト入りが決まった田代の運命を変えた一本の電話 

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サンスポ記者の球界ここだけの話
11月15日に行われた12球団合同トライアウトで安打を放つ田代。ヤクルト入りが決まった

11月15日に行われた12球団合同トライアウトで安打を放つ田代。ヤクルト入りが決まった【拡大】

 西武から戦力外通告を受け、ヤクルト入りが決まった田代将太郎外野手(27)が来季に向け、西武の室内練習場で黙々と汗を流している。

 「(引退が)1年延びたと思って死ぬ気でやる。キツイとか言っていられないですね」

 田代はプロ6年目の今季、「2番・左翼」で初の開幕スタメンを勝ち取った。4月23日の日本ハム戦でプロ初本塁打を放ったが、その後は極度の打撃不振に。「『ミスをしない』ということばかり考えて、精神的に自分の方向にもっていくのが苦しかった。積極的にいけず、かしこまっていた」と唇をかんだ。

 味方であるはずの西武ファンからも執拗(しつよう)なヤジ。「申し訳ない気持ちでレフトに行きづらかった。たまに聞こえる『頑張れ』という声は心からうれしかった」と当時の心境を振り返った。

 10月末に戦力外を言い渡された田代は両親や知人に相談。「よく頑張ったよ」「悔いのないようにやったら」。さまざまな意見があったが、自分の中では「引退を覚悟した」という。ところが、その翌日に運命を変える一本の電話が鳴る。その主は自身も戦力外通告を受け、同じ境遇にいた渡辺直人内野手(37)だった。

 渡辺「どうするの?」

 田代「もうやらないです。1日考えたけど、やる気が起きないです」

 渡辺「そうか。でも、野球をやりたくてもやれない人もいる。辞めるのはいつでもできるし、やれるときはやった方がいい。後悔しないように」

 この電話で田代は立ち直った。「心に響いたし、感謝しています。プロで何年も結果を出し続けた直人さんに言われると全然違う。次の日からバットを振りました」。

 渡辺は戦力外通告を受けた際に「ライオンズで死のうと思った。西武は常勝じゃないと。苦しい時期を支えようと思っていた」と話し、多くの退団を惜しむ声が挙がった。「僕だけの野球人生じゃない。結果として形に残したい」と田代。一方の渡辺は西武を支え、来季は古巣・楽天への復帰が決定。杜の都へ帰っていった。(花里雄太)

  • 田代の気持ちを動かした渡辺。自身は楽天への復帰が決まった
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